利益を得て他に譲渡する意思をもって動産、不動産若しくは有価証券を有償で取得する行為は商行為である(絶対的商行為商法501条1号)。したがって、商人でない者が他に譲渡して利益を得る意思で別荘を有償で取得する行為は、商行為である。
商行為の委任による代理は、本人の死亡によっては消滅しない。
民法の一般原則によれば、代理権は本人の死亡により消滅するはずである(民法111条)。しかし、反復継続的に行われる商行為を円滑に行うには、相続人が営業を続けるとともに代理人の代理権を存続させるのが望ましい。したがって、商行為の委任による代理権は、本人の死亡により消滅しないとしている。商法506条。
商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは、報酬についての約束がなくても、報酬を請求することができる。
商人が他人のために営業の範囲内の行為をなしたときは、報酬について特約がない場合であっても、相当の報酬を請求することができる。商法512条。
商人がその営業の範囲内で寄託を受けたときは、報酬を受けた場合に限り、善良な管理者の注意をなすことを要する。
民法上、無償寄託の場合は、自己の財産に対するのと同一の注意をすれば足りる。民法659条。しかし、商人は信用が重視されるので、無償のときでも、その人の職業的地位等に応じて、通常要求される注意をなすことが必要となる。したがって報酬を受けない場合でも、善良な管理者の注意をなすことを要する。商法593条。
| 商法593条 | 民法659条 | |
| 注意義務 | 善良なる管理者の注意 | 自己の財産に対するのと同一の注意 |
商人が保証をしたときは、主たる債務者が商人でなくても、その保証は、連帯保証債務となる。
保証人がいる場合において、
① 債務が主たる債務者の商行為によって生じたとき
② 保証が商行為であるとき
は保証債務は連帯保証債務となる。商法511条2項。
そして、②の保証が商行為であるときとは、保証が保証人にとり商行為であるときだけでなく、債権者のために商行為であるときも含まれる。大判昭14年12月27日。したがって、商人が保証をしたときは、主たる債務者が商人でなくても、その保証は、連帯債務となる。
商行為