商法526条2項
前項に規定する場合において、買主は、同項の規定による検査により売買の目的物に瑕疵があること又はその数量に不足があることを発見したときは、直ちに売主に対してその旨の通知を発しなければ、その瑕疵又は数量の不足を理由として契約の解除又は代金減額若しくは損害賠償の請求をすることができない。売買の目的物に直ちに発見することのできない瑕疵がある場合において、買主が六箇月以内にその瑕疵を発見したときも、同様とする。
甲は乙に対して直ちに通知をしている。危険部位の混入を隠れたる瑕疵と解すると、6ヶ月以内であるので売買契約の解除、代金減額または損害賠償を請求することができる。
甲株式会社は、輸入業者乙との間でコーヒー豆の売買契約を締結した。甲の仕入れ担当者はコーヒー豆の納入に立ち会い、数量の確認および品質の検査を行った。その際、コーヒー豆の品質の劣化を認識していたが、乙に直ちには通知しなかった。この場合に、甲は乙に対して売買契約の解除、代金減額または損害賠償を請求することができない。商法526条2項。
甲株式会社は、輸入業者乙との間でチューリップの球根の売買契約を締結した。甲の仕入れ担当者が引渡しに立ち会ったところ、球根の種類が予定していたものと異なっていた。そこで、甲は直ちに売買契約の解除を乙に通知した。乙の営業所が同一市内にあったため、乙が引き取りに来るまでの間、甲は球根を放置していたところ、発芽し、売り物には適さないものになったが、甲には責任はない。
商法527条1項
前条第一項に規定する場合においては、買主は、契約の解除をしたときであっても、売主の費用をもって売買の目的物を保管し、又は 供託しなければならない。ただし、その物について滅失又は損傷のおそれがあるときは、裁判所の許可を得てその物を競売に付し、かつ、その代価を保管し、又 は供託しなければならない。
同条4項
前三項の規定は、売主及び買主の営業所(営業所がない場合にあっては、その住所)が同一の市町村の区域内にある場合には、適用しない。
甲株式会社は、輸入業者乙との間でバナナの売買契約を締結した。履行期日になったが、甲の加工工場でストライキが起こり、甲は期日にバナナを受領することができなかった。そこで乙は、甲への催告なしに、そのバナナを競売に付し、競売の代金をバナナの代金に充当したが、これについて、乙に責任はない。商法524条1項2項。
甲株式会社は、輸入業者乙との間でクリスマス商品の売買契約を締結したが、輸出国の工場での製造工程にトラブルが生じ、商品の製造が遅れたため、納入がクリスマスに間に合わなかった。
商法525条。
契約は解除されているとみなされる。Aは受領を拒むことができる。
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