2010年9月16日

議院内閣制

大統領制に比べて議院内閣制のほうが権力分立の原理が忠実に適用され、立法権と行政権の分離が徹底される。

議院内閣制を採っている国々は、ドイツ、イタリア、カナダ、オランダなどがある。議院内閣制の代表国であるイギリスには成文法の憲法はないので、日本国憲法と同様に、議会が最高機関であるとする明文の規定はないを置いている

議院内閣制の母国とされるイギリスでは、国民の政治的意思を忠実に反映させる選挙制度としての比例代表小選挙区制が採用されている。

日本の地方自治体の制度は首長主義を採っているが、議会の長に対する不信任と長による議会の解散とを対抗させる仕組みは議院内閣制と同様である。

議院内閻制では、内閣の意思決定と政権党の意思決定が対立することが少ない通例であるため、内閣の閣内不一致による総辞職が引き起こされにくいやすい


議院内閣制を採用している国では議会が内閣創出の基盤となるので、一般に、内閣の活動を支持する与党と内閣に反対の立場をとる野党との区別が重要になり、各政党議員の国会活動は議院内で形成される会派を中心として行われる。

議院内閣制の母国とされるイギリスには成文の憲法典が存在せず、議院内閣制も憲法習律といわれる一種の慣行として成立しており、内閣を構成する閣僚についても全員が議員でなければならないという習律が確立している。

イギリスの議院内閣制における議会は、民選議員で構成されるのが下院と、世襲貴族や僧侶の地位を持つ者など非民選議員で構成されるのが上院とで構成され、「政府対野党」の論戦の場であるから、議事を主宰する議長が議事を統括する。の中立性が重んじられ、議院運営委員会による議事運営と各派交渉会の協議が重要な役割を果たしている

議院 任期 定員 選出方法
上院(貴族院) 不定 不定 国王任命の貴族や僧侶(非民選)
下院(庶民院) 5年 646名 民選(全議席が小選挙区制)

日本の国会では、国会審議の活牲化を図るために、イギリス議会におけるクエスチョンタイムをモデルにしてにならって首相と野党の党首が論戦を展開する党首討論の制度を導入することとし、衆参両院にそれぞれ合同の特別常任委員会である国家基本政策委員会で行う方式をとっている。